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知らずにやりすぎていませんか? 高齢者のリハビリで気をつけたい落とし穴

コラム

高齢のご家族や利用者様の身体機能を維持・改善するために、日々行われるリハビリ。ときには「もっと頑張れば元に戻れるかも」と思い、つい長時間の練習や運動を続けてしまうこともあるかもしれません。

けれど、その頑張りすぎがかえって状態を悪化させてしまうケースがあることをご存じでしょうか?

リハビリは確かに大切なケアのひとつですが、「量より質」が求められる分野でもあります。無理に続けることで、関節や筋肉に負担がかかり、痛みや炎症を引き起こしたり、本人の意欲をそいでしまったりすることも。

この記事では、リハビリのやりすぎによる逆効果やその見分け方、適切なリハビリの考え方について、訪問現場の視点からわかりやすく解説します。

過度なリハビリは、思わぬ身体への負担や逆効果につながることもあります。

札幌市・千歳市・恵庭市で訪問マッサージを行う「皆んなの訪問リハビリマッサージ」では、ご本人の体調に合わせた無理のないケアをご提案しています。

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リハビリの「やりすぎ」が逆効果になることも

リハビリは、高齢者の身体機能や日常生活の質を維持・向上させるために重要な支援です。しかし、「リハビリはやればやるほど効果が出る」という考えには注意が必要です。実際には、無理なリハビリによって症状が悪化したり、本人の気力が失われてしまうこともあります。特に、訪問リハビリやデイサービスでのリハビリを並行している方、退院直後でリハビリ意欲の高い方ほどやりすぎになりやすい傾向があります。

「頑張っても良くならない」と本人が感じてしまえば、リハビリが逆に苦痛となり、モチベーションを失うことにもつながりかねません。ここでは、リハビリのやりすぎによって起こり得る具体的な影響について見ていきます。

リハビリ=多ければ多いほど良い?は誤解

「とにかくたくさん動かせば筋力が戻る」「たくさん練習すれば歩けるようになる」というイメージは、多くの方が持ちやすいものです。ですが、身体機能が衰えている高齢者の場合、過度なリハビリはかえって逆効果になることがあります。

特に、脳梗塞や骨折後の回復期では、回復のスピードに個人差があり、短期間での過剰な運動が神経系にストレスを与えることも。目安の時間や内容を大きく上回るリハビリを続けてしまうと、回復を妨げてしまうケースも報告されています。

身体的負担による悪化リスクとは

無理なリハビリによって起こる最もわかりやすい影響は、「身体の負担が大きくなること」です。

たとえば、

●    関節や筋肉の炎症・痛みの悪化

●    疲労による転倒リスクの増加

●    免疫力の低下による体調不良

といった事例が見られます。

また、持病がある方(心不全・糖尿病・高血圧など)では、急な負荷によって病状が不安定になる恐れもあります。リハビリは「適切な量と質」のバランスが重要であり、医療職やリハビリ専門職と連携しながら無理のない範囲で進めることが大切です。

精神的なストレスも無視できない影響に

リハビリは身体だけでなく「心」にも影響を与えるケアです。本人が「また今日も大変なことをしないといけない」と感じてしまえば、リハビリに対する拒否感が強まり、日常の活動そのものが消極的になることもあります。

とくに、認知症やうつ傾向のある方では、リハビリによる達成感よりも「つらさ」が残りやすく、継続的な支援が難しくなることも。精神的な負荷が積み重なると、「自分はできない」「リハビリをしても無駄だ」という気持ちが強まり、結果的にQOL(生活の質)を下げてしまいます。

ご家族や支援者が「頑張らせよう」と思う気持ちは大切ですが、「その方の気持ち」にも寄り添う視点を持つことが、長く続けられるリハビリにつながります。

逆効果を招くリハビリの具体例

リハビリは「継続」が基本とされますが、すべての取り組みがプラスに働くとは限りません。特に、高齢者や要介護の方では、体力や意欲、既往歴などに配慮せずにリハビリを進めることで、かえって健康を損ねたり、リハビリそのものに苦手意識を持ってしまうケースもあります。以下では、実際にありがちな逆効果を招くリハビリの具体例をご紹介します。

痛みを我慢しての反復運動

「少し痛くても動かしたほうがいい」と言って、関節のこわばりや筋肉の張りがある状態でも無理に動かし続けてしまうケースは少なくありません。とくに退院直後や麻痺・拘縮がある方の場合、痛みを感じる運動は身体の防御反応でもあり、それ以上の負荷をかけると炎症や損傷を招く恐れがあります。

我慢して動かし続けることが良いことという認識が強いと、本人も限界を言い出せず、状態を悪化させてしまうリスクがあります。結果として、次の日に痛みが強くなったり、患部が腫れて動かせなくなるという事態に発展することもあります。

訪問マッサージや訪問リハビリでは、こうした症状に気づいた時点で運動の強度や内容を見直すことが大切です。痛みがある時は「無理せず、休むこと」も、回復のための一部と考えるべきでしょう。

休息をとらずに毎日続けてしまう

「今日は歩いたから、明日は筋トレ」「毎日少しずつでも続けよう」というのは、一見すると理想的な取り組みに思えるかもしれませんが、休息をとらずに連日リハビリを続けることは、体にとって過負荷になる場合があります。

筋肉や関節、神経の回復には「休む時間」も必要です。特に高齢者は回復に時間がかかりやすく、疲労が蓄積しやすい体質です。十分な休息なしに続けた結果、慢性的な疲れや倦怠感を感じるようになり、リハビリそのものを拒否するようになってしまうケースもあります。

「がんばる」ことも大切ですが、「続けるために休む」ことも、同じくらい重要です。週に1~2日はリハビリを入れないリカバリーデイを設けるなど、スケジュール管理もご家族やケアマネージャーの役割として大切です。

本人の意欲や体調を無視した強制的なリハビリ

「もっと動かさなきゃダメ」「寝てばかりだと歩けなくなるよ」と、周囲が善意で声をかけ続けた結果、本人の意欲を削いでしまうケースも少なくありません。

リハビリは、本人の「やってみたい」「もう少し動けるようになりたい」という気持ちがあってこそ効果が出るものです。体調が優れない日や気分が落ち込んでいる日には、無理に動かすことが精神的ストレスになり、逆に体調悪化の要因にもなります。

「今日は少しだけにしようか?」「気分が乗らないならお休みにしようか」などの声がけが、本人にとっての安心となり、結果的にリハビリを長く続けるための支えになります。ケアは「量」ではなく「質」であり、その人の状態に寄り添った支援こそが、最も効果的なリハビリにつながるのです。

適切なリハビリのために必要な視点

リハビリは「続ければ効果が出る」という一面もありますが、それだけでは不十分です。身体や生活環境、本人の気持ちは常に変化するもの。だからこそ、その変化に寄り添いながら「適切なリハビリ」を見直していく姿勢が大切です。ここでは、ご家族・支援者が意識したい3つの視点をご紹介します。

リハビリの目的を家族・専門職で共有する

リハビリは「ただ動かせばいい」ものではありません。目的やゴールが明確でないまま進めてしまうと、本人にとって「なぜやっているのかわからない」苦痛な時間になってしまうこともあります。

たとえば、「歩けるようになるため」「トイレに自分で行くため」「食事の姿勢を安定させるため」など、リハビリには必ず生活の中の目標があるはずです。ご本人の思いを軸にしながら、ご家族、ケアマネージャー、施術者など関係者全体で「共通の目的」を持つことが、リハビリを意味あるものにしてくれます。

特に札幌のような広域で支援者が複数関わるケースでは、情報共有の工夫(記録ノート、定期的な連絡など)も、本人にとって安心につながるサポートになります。

体調に合わせて「やらない日」も大切に

「毎日続けること」が理想に思えるリハビリですが、高齢者や持病を持つ方にとっては、それが負担になることも。特に、天候の影響や気圧の変化が体調に響きやすい札幌の冬場などは、無理をさせないことが何より大切です。

「今日はお天気が悪いからお休みしようか」「少し疲れているから軽めにしようか」というように、「やらない」と判断ができるのは、ご本人の様子をよく見ているご家族や支援者です。体調に寄り添いながら「やらない日」もリハビリの一環と考えることで、かえって意欲や信頼関係を保ちやすくなります。

本人のコンディションを尊重し、安心して取り組める環境を整えること。それこそが長く続けるリハビリを支える視点です。

小さな変化を見逃さないための定期的な振り返り

リハビリは、劇的な成果がすぐに現れるものではありません。その代わり、「最近足が軽くなった」「疲れにくくなった」「表情が明るくなった」など、日々の中にこそ価値ある変化が隠れています。

そうした小さな変化に気づくためには、振り返る時間を意識的に持つことが効果的です。たとえば、「週に一度、施術後に家族と少し話をする」「月に一度、ケアマネージャーと状況を確認する」など、ささやかな仕組みで十分です。

札幌市内でも、訪問マッサージを継続している利用者の多くが、こうした気づきの共有を通じて、支援の質が上がったと感じています。記録や写真を活用して進捗を見える化することで、ご本人のやる気にもつながりやすくなります。

自宅でのリハビリは量より質が大事

自宅でのリハビリでは「どれだけやるか」よりも「どのようにやるか」が重要です。無理に長時間取り組むのではなく、本人の状態や気持ちに合わせた質の高いリハビリを積み重ねることで、効果的な回復とモチベーションの維持につながります。以下では、実践しやすい工夫をご紹介します。

短時間でも継続する工夫を

リハビリを続ける最大のコツは、「毎日できる」ことを目指すのではなく、「続けられる形」を工夫することです。たとえば10分程度の軽い運動やストレッチでも、毎日続けることで十分な効果が得られることがあります。

朝の着替え前に1分間だけ足踏みをする、歯磨きの後に肩を回す、といった生活の一部に組み込むことで、無理なく習慣化できます。特に札幌の冬季は外出が困難な日も多いため、室内でできるリハビリを確保しておくことが大切です。

「今日はできなかった」と落ち込むよりも、「できる日は少しでもやろう」と柔軟に考えることで、心の負担も軽減されます。ご本人に合わせた「マイペースリハビリ」が、継続のカギとなります。

動作一つひとつに意味を持たせる

同じ運動をするにしても、「何のためにやっているか」を意識すると、リハビリの効果は大きく変わってきます。たとえば、ただ足を上げ下げするのではなく、「玄関の段差をスムーズに上がるため」と目的を明確にすることで、本人の意欲が高まりやすくなります。

「コップを持ち上げる練習」も、「自分でお茶を飲むため」と意識することで、実生活とのつながりが見えてきます。ご本人の生活背景や目標に合わせて、動作に意味づけをしてあげることが、リハビリを単なる運動ではなく、生活の再獲得に変える第一歩です。

札幌での訪問支援の現場でも、意味づけを意識したリハビリを導入したことで、日常動作の再獲得につながった事例が多く報告されています。

訪問リハビリ・訪問マッサージの活用も有効

自宅でのリハビリを継続するうえで、訪問リハビリや訪問マッサージの活用は非常に効果的です。専門のスタッフが定期的に訪問し、身体機能の状態を見ながら、安全かつ効果的なプログラムを提案してくれるため、自己流での無理な運動を防ぐことができます。

特に札幌市内では、冬場の通院が難しい方にとって、こうした自宅で受けられるリハビリサービスのニーズが高まっています。訪問リハビリでは、理学療法士や作業療法士が生活動作に直結した動きの訓練を行い、訪問マッサージでは、血流改善や筋緊張の緩和を目的とした施術が行われます。

どちらもご本人の体調や生活背景に合わせた支援が受けられるため、「自宅で無理なくリハビリを続けたい」「安全に身体を動かしたい」という方には心強いサポートとなります。保険適用が可能な場合もあるので、ご家族やケアマネージャーと相談しながら検討してみるとよいでしょう。

まとめ

リハビリは、身体機能の回復や維持を目指すうえで欠かせない取り組みですが、「やりすぎ」はかえって逆効果になることがあります。特に高齢者や持病のある方の場合、無理な運動や過度な反復練習は、筋肉や関節を痛めたり、疲労によって日常生活の質を下げてしまうリスクがあるため注意が必要です。

大切なのは、「どれだけやるか」ではなく、「どうやって続けるか」。本人の体力や気持ちに合った方法を選び、無理なく継続できるリハビリを目指すことが、長期的な回復につながります。短時間でも生活動作に意味のある運動を取り入れる、必要に応じて訪問リハビリや訪問マッサージなどの専門的支援を受けることも有効です。

札幌で生活する高齢者の方やご家族、ケアマネージャーの皆さまにとって、安心してリハビリを続けるための環境づくりは非常に重要です。過剰な負担を避けつつ、自分らしい生活を取り戻すための一歩として、無理のないリハビリを取り入れていきましょう。ご不安なことがあれば、ぜひお気軽に専門家へご相談ください。

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