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「固縮」とは? 高齢者に見られる筋肉のこわばりとその対処法を解説

コラム

「最近、足がこわばってうまく動かせない」「介助しても関節が硬くて動かしにくい」といった症状に心当たりがある方は、「固縮(こしゅく)」の可能性があります。特にパーキンソン病などの神経疾患や脳血管障害の後遺症では、高齢者にこの症状がよく見られます。

この記事では、固縮とは何か、その原因や似た症状との違い、訪問マッサージでの対応についてわかりやすく解説します。

ご本人の「できる」を増やす第一歩を。

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固縮とは

高齢者の筋肉のこわばりの中でも、特に注意が必要なのが「固縮(こしゅく)」です。単に筋肉が硬くなるだけではなく、神経系の障害によって筋肉が常に緊張状態になり、自分の意思とは無関係に動かしにくくなる状態を指します。

固縮の特徴とは?

固縮の大きな特徴は、「他動運動(人が手伝って関節を動かす動き)」に対して、関節がずっと同じような強さで抵抗するという点です。これを鉛管現象(えんかんげんしょう)と呼びます。あたかも鉛のパイプを曲げようとするような、ずっしりとした抵抗感があります。

一方、関節を動かすとカクカクと引っかかるような抵抗を感じる場合もあり、これは歯車現象(はぐるまげんしょう)と呼ばれます。どちらも、神経から筋肉への信号がうまく調整できていないことによるものです。

筋緊張の異常による影響

固縮が続くと、関節の可動域(動く範囲)が徐々に狭くなり、日常の動作が難しくなってきます。以下のような症状が見られることがあります。

●    歩行時に足が出しにくくなる

●    食事や更衣などの動作に時間がかかる

●    姿勢が前かがみになりやすくなる

これらは本人にとってつらいだけでなく、介助者の負担も大きくなる要因です。

固縮は「脳や神経」の異常のサイン

固縮は、筋肉そのものの異常ではなく、脳や脊髄など中枢神経のトラブルによって起こります。そのため、筋肉をマッサージしても一時的にしか改善せず、原因疾患への対応やリハビリによる神経系へのアプローチが重要になります。

主な原因

固縮は、主に神経系の障害によって引き起こされる現象です。単なる筋肉の疲れや加齢によるこわばりとは異なり、脳から筋肉への運動指令がうまく伝わらなくなることが大きな要因となっています。以下に、代表的な原因疾患を紹介します。

パーキンソン病

固縮の原因としてもっとも知られているのが、パーキンソン病です。脳の中にある「黒質(こくしつ)」という部分の神経細胞が減少し、ドーパミンという物質が不足することで、筋肉の動きが制御しにくくなります。その結果として、全身の筋肉が硬直し、動きがぎこちなくなる「固縮」症状が現れます。多くの場合、左右差のあるこわばりや、手足の震え、動作の緩慢さなどを伴います。

脳血管障害の後遺症(脳梗塞・脳出血など)

脳血管障害の後遺症としても、固縮はよく見られます。たとえば、脳梗塞や脳出血によって運動を司る神経が損傷を受けた場合、片側の手足に麻痺とともに固縮が現れることがあります。このような状態では、関節の動きが著しく制限され、リハビリや日常生活に大きな影響を及ぼします。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、認知症の一種ですが、パーキンソン病に似た運動症状(パーキンソニズム)を伴うのが特徴です。その中に、固縮も含まれており、認知機能の低下と同時に、身体のこわばりや歩行のぎこちなさが目立つようになります。転倒のリスクも高まりやすいため、早期の気づきと対応が重要です。

その他の中枢神経疾患

まれにですが、多系統萎縮症(MSA)や進行性核上性麻痺(PSP)といった、他の神経変性疾患によっても固縮が現れることがあります。いずれも進行性であり、早期からの医療的介入が不可欠です。

痙縮(けいしゅく)との違い

固縮とよく混同されるのが「痙縮(けいしゅく)」という症状です。どちらも「筋肉が硬くなる」「関節が動かしにくくなる」といった点で似ていますが、発生のメカニズムや触ったときの感触、動かし方への反応などに明確な違いがあります。

動かしたときの抵抗の仕方が異なる

痙縮は、関節を急に動かそうとしたときにだけ強い抵抗を感じるのが特徴です。たとえば、肘や膝を急に曲げようとすると「グッ」と強い抵抗があるのに、ゆっくり動かすとスムーズに曲がるといった印象です。この抵抗は、筋肉の緊張が一時的に高まっていることが原因で、脳卒中や脊髄損傷の後遺症として多く見られます。

一方で固縮は、関節をどのスピードで動かしても、常に一定の抵抗が続きます。あたかも関節の中に均一なゴムの抵抗があるような感触で、動作の最初から最後までこわばりが途切れません。これは、パーキンソン病などの「錐体外路系(すいたいがいろけい)」と呼ばれる神経経路の障害によって起こる現象です。

筋肉の収縮タイプの違い

痙縮は、主に「伸張反射の過剰」が原因で、筋肉が勝手に縮もうとする力(収縮)によって関節が動きにくくなります。対して固縮は、収縮ではなく筋肉自体のこわばりや柔軟性の低下によって起こります。そのため、表面的には似ていても、施術方法や対応の仕方には注意が必要です。

家族や介護者が気をつけるポイント

ご家族や介護をされている方が見守る中で、「関節が曲がりにくくなってきた」「力を抜いていても腕や足が硬い気がする」と感じた場合、それが痙縮か固縮かを正確に判断するのは難しいかもしれません。しかし、その違いによってリハビリやマッサージの方法が異なるため、気になる症状があれば、医師や訪問リハビリの専門職に相談することが重要です。

固縮があるとどんな影響が?

固縮が進行すると、日常生活のあらゆる動作に影響が及びます。たとえば、肩や肘、膝などの関節の可動域が狭くなり、スムーズに曲げ伸ばしができなくなります。最初は「腕が上がりにくい」「靴下を履かせにくくなった」といった些細な変化から始まり、次第に自力での起き上がりや立ち上がりも難しくなっていきます。

寒冷地の北海道では特に、冬場に体がこわばりやすくなるため、固縮の影響がより顕著に現れることもあります。朝方に筋肉が固まりやすく、着替えや排泄などの動作に時間がかかるといった声も多く聞かれます。

さらに、可動域の制限によりバランスを崩しやすくなり、転倒リスクが高まるのも大きな問題です。転倒による骨折は、その後の寝たきりや介護度の悪化を招くことがあり、予防が非常に重要です。

また、介護者側の負担も無視できません。腕や脚が伸びにくくなると、着替えや入浴の介助が一人では難しくなったり、より多くの力が必要になるケースが増えます。時間的・体力的な負担が大きくなり、ご家族の疲労やストレスの要因になることも少なくありません。

このように固縮は、単なる「動かしづらさ」にとどまらず、生活の質や介護環境全体に深く関わる症状です。早めに気づき、適切なケアやリハビリ、訪問マッサージなどを取り入れていくことが、ご本人の自立を守り、ご家族の負担軽減にもつながります。

訪問マッサージでできること

訪問マッサージでは、国家資格を持つ「あん摩マッサージ指圧師」などの専門スタッフが自宅に訪問し、医学的知見に基づいたケアを行います。特に固縮によって筋肉や関節の動きが悪くなった方に対し、筋緊張の緩和や関節可動域の維持・改善を目的とした施術を行います。

具体的には以下のような内容が中心となります。

●    筋肉の柔軟性を保つストレッチ

硬くなった筋肉を無理なくほぐし、やさしく伸ばすことで、固縮による動きづらさを緩和します。たとえば、腕が胸の前で固まってしまった場合には、関節を開いて広げるような動作を丁寧に行い、日常の着替えや食事動作がしやすくなるようにサポートします。

●    関節の拘縮予防のための運動療法

可動域が狭くなってしまった関節に対して、やさしい運動を繰り返すことで、拘縮(こうしゅく)の進行を防ぎます。動きにくい肩・肘・膝などに対して、「他動運動」と呼ばれる介助つきの体操を取り入れながら、少しずつ動きを引き出します。

●    血流を促すリラクゼーション的施術

固縮があると筋肉内の血行が悪くなり、痛みや冷えにもつながるため、マッサージで血流を促進し、筋肉のこわばりやだるさを和らげます。緊張が強い方でも、心地よい刺激でリラックスしやすくなるため、精神的な安心感にもつながります。

北海道のように気温が低く筋肉がこわばりやすい地域では、こうした訪問マッサージのケアは特に効果的です。ご自宅で受けられるため、外出の負担がなく、安心して継続できることも大きなメリットです。施術者がご本人の生活スタイルに合わせたケアを提案し、状態を見ながら調整してくれるので、個別性の高いケアが可能です。

継続的な施術によって、関節の柔軟性が保たれ、立ち上がりや歩行といった基本動作の改善が見込めることもあります。ご本人の生活の質を高め、ご家族や支援者の介護負担を軽減する手段として、訪問マッサージは非常に有用なサービスと言えるでしょう。

まとめ

固縮は、単なる筋肉のこわばりではなく、脳や神経の障害が原因で起こる、生活の質を大きく左右する重要な症状です。特に高齢者にとっては、着替え・食事・排泄などの日常動作の妨げになるだけでなく、寝たきりや転倒リスクにもつながるため、早期に気づき、適切なケアを行うことがとても大切です。

こうした背景から、医師による診断とあわせて、継続的なリハビリ・ケアをどう取り入れるかが、本人の今後の生活を大きく左右します。しかしながら、通院でのリハビリが難しい方も少なくありません。そこで選択肢となるのが、訪問マッサージです。

国家資格を持つ施術者がご自宅に訪問し、症状に応じたマッサージや関節運動を行うことで、無理なく筋肉や関節の柔軟性を保ち、固縮の悪化や拘縮の進行を防ぐことができます。本人の身体的な負担を抑えながら、ご家族や介護者の支援負担の軽減にもつながることが、多くの方にとって大きな安心材料となっています。

北海道でも、多くのご家庭で訪問マッサージを取り入れ、日々の生活の中で少しずつ変化を感じている方が増えています。ご本人の「できること」を少しでも増やし、心地よく毎日を過ごしていただくためにぜひ一度、訪問マッサージの活用をご検討いただければ幸いです。

札幌・恵庭・千歳の「皆んなの訪問リハビリマッサージ」では、国家資格を持つスタッフがご自宅へ訪問し、無理のないサポートを行います。

料金や医療保険の適用についても丁寧にご案内いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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