コラム
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フレイルとは、加齢とともに心身の活力が衰え、生活機能が低下している状態を指します。英語の「frailty(虚弱)」が語源で、健康と要介護の間に位置する段階です。完全に介護が必要なわけではないけれど、放っておくと要介護につながってしまう可能性がある。そんな「気づきにくいけれど重要なサイン」がフレイルの特徴です。
フレイルには段階があります。最初は疲れやすい・活動量が減るといった軽度の状態から始まり、筋肉量の減少(サルコペニア)や認知機能の低下が加わることで、やがて日常生活にも支障が出てきます。さらに進行すると、転倒や入院、孤立などがきっかけで一気に要介護状態に陥ることもあります。
そのため、フレイルは早期発見・早期対応が非常に大切です。「最近よくつまずく」「以前より食欲が落ちた」など、小さな変化に気づくことが、介護予防の第一歩になります。
「最近、なんだか元気がない」「食が細くなってきた」など、些細な変化がフレイルの始まりかもしれません。
皆んなの訪問リハビリマッサージでは、ご自宅で受けられる運動支援やリハビリを通じて、無理なくフレイル予防をサポートします。
札幌市内および近郊エリアに対応しております。まずはお気軽にご相談ください。
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年齢を重ねるにつれ、体だけでなく心や周囲の人間関係にも変化が現れます。フレイルの進行には、次の3つの側面が関係しています。
このように、フレイルは身体だけでなく、心や社会との関わりも深く関係しているのです。体の異変だけでなく、気分や人付き合いの変化にも注意を向けることが、フレイル予防には欠かせません。
フレイルの状態になると、筋力やバランス感覚が低下し、転倒のリスクが一気に高まります。特に高齢者の場合、ちょっとした段差や滑りやすい床でも転んでしまうことがあり、骨折を伴うとそのまま寝たきりになるケースも珍しくありません。
一度寝たきりになってしまうと、筋肉はさらに衰え、日常生活を自力で送るのが難しくなります。また、寝たきり状態が続くことで、肺炎や褥瘡(床ずれ)などの二次的な健康トラブルも引き起こされやすくなります。フレイルによる体の弱りを放置しておくと、「自分の足で歩く生活」から遠ざかってしまう可能性があるのです。
フレイルは、身体的な衰えだけでなく、外出や人との交流を控える要因にもなります。活動量が減ると、趣味や地域活動への参加が減り、結果として人と話す機会が失われていきます。
このような社会的孤立が続くと、脳への刺激が減少し、認知機能の低下につながります。実際、社会とのつながりが少ない高齢者は、認知症の発症リスクが高まることが複数の研究で報告されています。
また、話し相手がいないことで気持ちがふさぎ込み、抑うつ状態に陥る人もいます。心の元気がなくなると、食欲や睡眠にも影響が出て、さらにフレイルが進行するという悪循環に陥ることになります。
フレイルは、要介護状態に至る前段階として非常に重要なサインです。例えば、買い物や掃除といった日常の家事が「なんとなくしんどくなった」「以前より面倒に感じる」といった小さな変化は、フレイルの兆候である可能性があります。
この段階で適切な対策を講じれば、フレイルは回復する可能性があります。しかし、見過ごしてしまうと、徐々に身体機能が低下し、介護が必要な生活へと進んでしまうこともあります。
フレイルは放置すれば進行しますが、気づいてケアすれば元の状態に戻ることもできる、いわば“可逆的な状態”です。だからこそ、リスクを理解し、早めに取り組むことが重要です。
フレイルは早期に対処すれば改善できる可能性が高い状態です。そのためには、日常生活の中で運動や食事、趣味を通して心の健康を保つこと、そして人との会話や外出などで社会と関わることを意識的に取り入れていくことが大切です。
ここでは、具体的に実践できるフレイル予防法をご紹介します。
フレイル予防の第一歩は、やはり体を動かすことです。年齢とともに筋肉量は自然に減少していきますが、まったく動かさないとそのスピードはさらに加速します。
ウォーキングや軽い体操など、無理のない範囲で継続できる運動を取り入れることが大切です。特に太ももやお尻まわりなどの下半身の筋力維持は、転倒予防にもつながるため、意識して鍛えましょう。
椅子に座ったままでもできる足上げ運動や、ペットボトルを使った軽い筋トレなど、工夫次第で室内でもできる運動はたくさんあります。家族やケアマネジャーと相談しながら、継続できるメニューを選んでください。
運動と並んで大切なのが、毎日の食事です。フレイル予防では特にたんぱく質の摂取が重要とされています。筋肉の材料となるたんぱく質が不足すると、せっかく運動しても効果が出にくくなってしまいます。
肉、魚、卵、大豆製品などを意識して取り入れましょう。さらに、体力維持のためにはエネルギー源となる炭水化物や、体の調子を整えるビタミン・ミネラルも欠かせません。
加齢によって食が細くなったり、飲み込みにくさを感じたりする場合は、やわらかく調理したり、少量ずつこまめに食べたりする工夫が有効です。
体の健康と同じくらい大切なのが、人とのつながりです。話し相手がいるだけでも脳は刺激を受け、気持ちも前向きになります。反対に、会話や外出の機会が減ると、心身の活力が低下しやすくなります。
たとえば地域の体操教室やサロンに参加する、家族と毎日話す時間を作る、近所の人とあいさつを交わすだけでも効果があります。感染症などの状況により外出が難しい場合は、電話やオンラインでの交流も活用してみましょう。
自分だけでは運動を続けるのが難しい、あるいはすでに筋力や関節に不安がある方には、専門職によるサポートがおすすめです。訪問マッサージや訪問リハビリでは、国家資格を持つ施術者がご自宅へ訪問し、無理のない範囲での運動指導や筋肉ケアを行います。
札幌市内および近郊でも、医療保険適用で利用できる訪問マッサージサービスがあり、要支援・要介護認定を受けた方のフレイル対策に役立っています。
ご家族やケアマネジャーと連携しながら、生活の質を保つ支援が受けられるため、無理なく継続できるのが大きなメリットです。
フレイルの兆候として、体重が急に減った、歩く速度が遅くなった、疲れやすい、力が弱くなった、活動量が減ったなどが挙げられます。
これらのうち複数が当てはまる場合は注意が必要です。特に、日常生活でつまずきやすくなったり、外出の頻度が減ってきたと感じたら、フレイルの可能性を疑いましょう。
フレイル予防は、できるだけ早い段階から始めるのが理想です。高齢者に限らず、50代や60代からでも予防意識を持って生活習慣を整えることが重要です。
特に運動・栄養・社会参加の3つの柱を意識して、バランスの取れた生活を心がけることで、将来の介護リスクを大きく減らすことができます。
家族ができることとして、日々の会話や声かけでの精神的サポートに加えて、一緒に散歩をしたり、買い物へ出かけたりするなど、体を動かす機会をつくることが挙げられます。また、食事の内容を工夫してたんぱく質やビタミンをしっかり摂取できるよう支援することも効果的です。
本人の自立心を尊重しながら、無理のない範囲で継続的な関わりを持つことが大切です。
介護予防や機能訓練を目的とした通所リハビリテーションや、医師の指示による訪問リハビリ・マッサージなど、一部は医療保険や介護保険の適用となります。
具体的なサービスの利用条件や手続きについては、地域のケアマネージャーや医療機関、自治体の窓口に相談するのがおすすめです。
フレイルは、年齢とともに進行する心身の衰えを指しますが、早い段階から意識して予防に取り組むことで、その進行を緩やかにし、健康な生活を長く保つことができます。運動や食生活の見直し、地域社会とのつながりを大切にすることが、フレイル予防の基本です。
日常のちょっとした変化に気づき、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけたり、栄養バランスのとれた食事を心がけたりするだけでも、心身の健康維持につながります。また、家族やケアマネージャー、地域の支援者と協力しながら、本人の自立と尊厳を守ることも重要な視点です。
もし、すでに筋力の低下や外出頻度の減少が見られる場合は、早めに医療・介護の専門職へ相談することをおすすめします。訪問マッサージや訪問リハビリといった在宅サービスの活用も、負担の少ないフレイル予防の手段として有効です。
高齢期を安心して過ごすために、今できることから一歩ずつ。フレイル予防は、人生をより豊かにする第一歩となります。
「歩く機会が減ってきた」「外出を嫌がるようになった」そんなときは在宅ケアでサポートするチャンスです。
国家資格を持つ専門スタッフが、ご利用者様一人ひとりに合わせた運動・リハビリをご自宅でご提供します。
札幌・北海道エリアでフレイル予防に取り組みたい方は、ぜひ皆んなの訪問リハビリマッサージへご相談ください。
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