通院が難しい高齢者に、ご家族の方が自宅でできる腰痛ケアと訪問マッサージの活用法 | 皆んなの訪問リハビリマッサージ 札幌・恵庭・千歳

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通院が難しい高齢者に、ご家族の方が自宅でできる腰痛ケアと訪問マッサージの活用法

コラム

高齢者の慢性的な腰痛や身体のこりは、単なる身体的な痛みにとどまらず、生活の質やご家族の介護負担にも大きく関わってきます。
そんなとき、ご自宅でできるケアや訪問マッサージなどをうまく取り入れていくことで、無理のない形で痛みの緩和や予防につなげることが期待できます。

まずは、ご家族やケアマネージャーさんが正しい知識を持ち、必要に応じて専門家の力を借りていくことが、安心できる在宅ケアのはじめの一歩になります。

1. 高齢者の腰痛とは?家族が知っておくべき基本知識

1-1. なぜ高齢になると腰痛が起こりやすいのか

高齢者の方に腰痛が多く見られる背景には、いくつかの身体的な変化が関係しています。
年齢を重ねると、筋力の低下や骨のもろさ、姿勢の変化が起こりやすくなり、それが腰にかかる負担を大きくしてしまうのです。

たとえば、体を支える背筋や腹筋が弱まることで、正しい姿勢を保つのが難しくなり、常に腰に負担がかかるような状態になります。
また、背骨のクッションである椎間板の弾力性が失われてくると、衝撃を吸収できずに痛みを引き起こしてしまうこともあります。

さらに、骨粗しょう症や変形性脊椎症といった、高齢者の多くが抱える疾患も、腰痛の原因として挙げられます。
こうした変化は見た目ではわかりにくいため、「年齢のせい」と軽く見られてしまうことも少なくありません。

でも、ご家族としては「なぜ腰が痛むのか?」という原因を理解しておくことが、適切なケアや医療的な判断へとつながりやすくなります。

1-2. 放置するとどうなる?寝たきりやADL低下のリスク

腰痛があると「動くと痛いから嫌だな」「痛いから横になっていたい」と、どうしても動かなくなってしまう傾向があります。
そうなると活動量が減ってしまい、筋力の低下が進んでしまいます。そしてやがては、立つ・歩く・着替えるといった、日常生活の動作(ADL)もだんだん難しくなってきます。

このような状態が続くと、転倒のリスクも高まり、寝たきりの引き金になることも考えられます。
一度寝たきりになってしまうと、心身の機能が急激に落ち込み、ご家族の介護負担も大きくなってしまう可能性があります。

腰痛は「ただの痛み」と軽く見られがちですが、実は生活の質そのものを大きく左右するサインです。
早めにケアを取り入れて環境を整えていくことで、ご本人の自立を支えることができ、ご家族にも安心が生まれてきます。

2. 家族が行うケアのポイント

腰痛による生活機能の低下を防ぐには、高齢者の方が動けるうちに、無理のない範囲で体を動かしておくことがとても大切です。
そのためには、ご家族のサポートが心強い助けになります。

たとえば、起き上がるときや立ち上がるときにひと言声をかけてあげたり、移動を手伝いながら、軽い歩行や体操を日課にしていくことでも、筋力の維持にしっかりつながります。
また、痛みをやわらげるために、温かいタオルで腰を温めたり、姿勢を整えるためにクッションを活用するなど、環境を整える工夫も効果的です。

そして何より大切なのは、無理をさせないことです。
痛みが強いときには無理に動かそうとせず、適切な医療やリハビリの専門家につないであげる判断も必要になります。

こうした適切なケアを行っていくことで、高齢者の方にとっては痛みの緩和になるだけでなく、精神的な安心にもつながっていきます。
まずは、ご家族ができるマッサージのポイントから確認していきましょう。

2-1. 安全なマッサージの方法

①優しく触れる

安全なマッサージでは、優しく触れることが基本になります。高齢者の皮膚はとてもデリケートなので、強くこすったり圧をかけたりせず、やさしく触れる意識をもってください。

手のひら全体で包み込むようにマッサージすると、やさしく心地よい刺激になります。

②コミュニケーション

マッサージをするときは、ひと言声をかけながら行うと安心感が生まれます。

「気持ちいいですか?」「痛いところはありませんか?」など、相手の様子を確認しながら、自然なコミュニケーションを大切にしてみてください。

こうしたやりとりが、リラックス効果を高めることにもつながります。

③体調に合わせたケア

体調が優れないときや、疲れている様子が見られるときは、無理にマッサージを行わず、そっと見守ることも大切です。

また、ふだん一緒に暮らしていないご家族や親戚の方がマッサージを行う場合には、事前に本人の体調や持病について把握しておくことも忘れずに。

④温める

温めることで血の巡りが良くなり、筋肉もやわらかくなりやすくなります。

蒸しタオルや使い捨てカイロを使って、マッサージの前に腰を温めてあげるのも効果的です。

⑤体勢のサポート

マッサージを行うときは、無理のない楽な体勢を整えてあげてください。

クッションやタオルなどを活用して体を安定させることで、安心してマッサージを受けてもらえるようになります。

2-2. 腰を冷やさない・体を動かす習慣づけ

腰痛の予防や緩和には、日々のケアがとても重要です。
特に「腰を冷やさないこと」と「適度に体を動かすこと」は、基本でありながら、確かな効果が期待できるポイントです。

たとえば、日中でも肌寒いと感じるような場面では、腹巻きやカイロ、毛布などを使って腰まわりをあたためてあげるとよいでしょう。
寒い季節や、エアコンの風が直接当たる場所では、腰の冷えに特に気をつけたいところです。
冷えてしまうと血の巡りが悪くなり、筋肉が硬くなることで痛みが増してしまう原因になります。

また、腰が痛いからといって体を動かさない日が続くと、筋力や柔軟性が落ちてしまい、結果的に症状が悪化するという悪循環に陥ってしまいます。
無理のない範囲で、室内での軽いストレッチや散歩など、日常のなかに少しでも体を動かす時間を取り入れていくことが大切です。

「今日は5分だけでも立ってみようか」「一緒に廊下を歩いてみようか」といったやさしい声かけや付き添いが、ご本人のやる気を引き出す大きな力になることもあります。

3. 自宅でできる!簡単マッサージ

ここでは、ご家族がご自宅でできる腰痛マッサージの種類や方法、注意点についてご紹介していきます。

ご自宅で行うマッサージは、やさしく負担の少ない手技が基本です。血の巡りを良くしたり、心身のリラックスにもつながります。

3-1. 軽擦(けいさつ)法

施術を受ける方に、楽な姿勢で座ってもらうか、仰向けになってもらったうえで、背中や腰、腕、脚などを手のひら全体でやさしく撫でるようにマッサージする方法です。

肌をこすらないように、滑らせるような感覚で、同じ方向に5〜10回ほど。
「痛くないですか?」などと声をかけながら、ゆっくり一定のリズムで続けていくのがポイントです。

マッサージをする前には、手を温めておくと、受ける方もよりリラックスした状態で施術を受けることができます。

3-2. 揉捏(じゅうねつ)法

揉捏法は、筋肉をやさしくつまんで揉むことで血行を促し、こりや緊張をほぐす効果が期待できるマッサージ方法です。

肩や太もも、ふくらはぎなどの筋肉を軽くつかみ、指と手のひらを使って「つまんで持ち上げ、ゆっくり離す」という動作を繰り返していきます。

強く引っぱらず、「痛気持ちいい」と感じるくらいのやさしい力加減を意識してみてください。
一か所につき5〜10回程度、リズムよく続けていくのがコツです。

3-3. 圧迫法

圧迫法は、筋肉をやさしく「押す→ゆるめる」を繰り返すマッサージで、血流の促進や筋肉のこわばりをやわらげるのに効果的です。

肩・背中・太ももなどの筋肉の上に手のひら全体を当てて、ゆっくりと下方向に体重をかけるようにして軽く押し、その状態を2〜3秒ほどキープします。
その後、圧を抜いて少し休み、また同じ場所を数回繰り返します(5〜6回程度)。
場所を移動しながら、筋肉に沿ってまんべんなく押していくと良いでしょう。

※強く押しすぎないよう、相手の様子を見ながら「気持ちいい」と感じられるくらいの強さで調整することが大切です。

3-4. 温熱ケア+マッサージ

温熱ケアは、筋肉を温めて血の巡りを良くし、マッサージの効果を高めるサポートになります。
マッサージの前に行うことで、筋肉のこわばりがほぐれやすくなります。

蒸しタオルやカイロをタオルで包み、腰や背中、肩などに5〜10分ほど当てて温めておきます。
その後に、やさしくマッサージを行ってみてください。
施術中に体が冷えないよう、部屋の温度や衣類の調整にも気を配っておくと安心です。

なお、やけどを防ぐためにカイロは直接肌に当てないようにし、長時間当てっぱなしにならないようにも注意してください。

3-5. ご自宅でのマッサージの注意点

ご自宅で高齢者の方にマッサージを行う際は、安全面にも気を配ることが大切です。
いくつかの注意点や避けたいケースもあるため、以下の内容を参考にしてみてください。

① 自己判断での施術
専門的な知識がないまま自己判断で施術を行うのは避けるようにしましょう。
特に病状がある場合には、あらかじめ医師に相談してからケアを行うようにしておくと安心です。

② 強く押す・独断でツボ押し
強い刺激を与えると、かえって痛みや内出血を引き起こすことがあります。
また、自己流でツボを押すのは避けてください。位置や押し方によっては、体調を悪化させてしまう場合もあります。
心配なときは、専門家に相談するのがおすすめです。

③ 炎症がある場合は避ける
患部に炎症や腫れがあるときは、マッサージは行わないようにします。炎症が悪化する恐れがあります。

④ 骨折や外傷がある場合は避ける
骨折や外傷があるときは、必ず専門家の指示に従うようにしてください。
自己判断でのマッサージは危険を伴います。

⑤ 長時間のマッサージ
長時間にわたるマッサージは、かえって体に負担をかけてしまうことがあります。
15〜20分程度を目安に、無理のない時間で行うようにすると安心です。

⑥ 体調が悪い場合は避ける
高齢者の方の体調が優れないときには、無理にマッサージを行わず、体調が回復してから行うようにしてください。

これらの注意点や禁忌事項をしっかり守ることで、安全にご自宅でのマッサージを行うことができます。
少しでも不安がある場合は、医師や理学療法士など、専門家に相談してみると良いでしょう。

4. 腰痛改善のための生活習慣

4-1. 食事のポイント

腰痛をやわらげていくためには、バランスのとれた食事が欠かせません。
特に、骨や筋肉を丈夫に保つための栄養素を意識して取り入れていくことが大切です。カルシウム、ビタミンD、タンパク質をバランスよく摂ることがポイントになります。

カルシウムは骨の主成分として知られ、骨粗鬆症の予防にもつながります。ビタミンDはそのカルシウムの吸収を助けてくれる存在であり、タンパク質は筋肉の修復や成長に欠かせません。

具体的には、牛乳やヨーグルト、チーズといった乳製品、小松菜やほうれん草などの緑黄色野菜、鮭やイワシなどの魚介類、豆腐や納豆などの大豆製品を積極的に取り入れてみてください。

また、加工食品や甘いもの、脂っこい食事は控えめにし、毎日の食事を規則正しく整えておくことも大事です。
食事中は、よく噛んで食べることで消化が助けられ、栄養の吸収もスムーズになります。

4-2. 睡眠の質の向上

質の良い睡眠は、体の回復を促して腰痛の軽減にもつながる大切な時間です。
睡眠不足が続くと、筋肉が緊張したままになり、痛みが強まってしまうことがあります。

心地よい睡眠のためには、寝具や寝室の環境を整えておくことも大切です。

まず、マットレスの硬さは自分に合ったものを選びたいところです。柔らかすぎても硬すぎても腰に負担がかかることがあります。
枕の高さや素材も重要で、首や肩に余計な負担がかからないよう、自分に合ったものを見つけてみてください。

寝室の温度や湿度にも気を配り、静かで暗い環境を整えておくと、より深い眠りにつながります。
また、寝る前のカフェインやアルコールの摂取は控えめにし、気持ちを落ち着けられるような工夫を取り入れるのもおすすめです。

4-3. 正しい姿勢を保つ

ふだんの生活の中で、正しい姿勢を意識しておくことは、腰への負担を減らすうえでとても大切です。
立っているとき、座っているとき、寝ているとき、それぞれの姿勢に気を配ることが腰痛予防につながっていきます。

たとえば立っているときは、背筋をすっと伸ばして、お腹に軽く力を入れるように意識してみてください。肩の力は抜いて、リラックスした状態を保つのが理想です。

座るときは、椅子にしっかり深く腰をかけて、背もたれに背中をあずけるようにします。足の裏は床につけて、膝と股関節の角度が90度になるよう調整すると安定します。
長時間の作業が続く場合は、時々休憩をとって姿勢を変えることも大切です。

寝るときの姿勢もポイントです。仰向けで寝るときは、膝の下にクッションを入れると腰の負担を減らすことができます。横向きで寝る場合は、膝を軽く曲げて、体の軸がまっすぐになるよう意識してみてください。

5. セルフケアが難しい場合

年齢を重ねると、どうしても筋力や柔軟性が低下していき、ストレッチやセルフマッサージが難しく感じられることもあります。

ご家族だけでのケアが難しい場合には、「訪問マッサージ」という選択肢もあります。
このサービスでは、国家資格を持つ施術者がご自宅まで訪問し、その方の体の状態に合わせた施術を行います。通院が難しい方でも、安心して継続的なケアが受けられる仕組みです。

5-1. 要介護者・寝たきり・認知症がある方でもOK

訪問マッサージは、要介護認定を受けている方や寝たきりの方、認知症のある方にも対応しています。

ご自宅で施術が受けられるため、移動による負担がなく、環境の変化に敏感な方にも安心してご利用いただけます。
国家資格を持った施術者が、ひとりひとりの体調や症状に合わせて丁寧に対応してくれるため、身体機能の維持・改善にしっかりとつながっていきます。

ご本人にもご家族にも、無理なく続けやすいケア方法のひとつです。

5-2. 保険が使えるから費用面も安心

訪問マッサージには、医療保険(健康保険)が適用される仕組みがあります。
医療保険が使えることで、自己負担額は1~3割に抑えられます。

たとえば、1割負担の方であれば、1回あたりの施術費用は300〜600円ほどになるため、経済的な不安もぐっと減らすことができます。

5-3. ケアマネジャーとの連携もスムーズ

訪問マッサージは、ケアマネジャーとの連携を前提にしたサービスとして設計されています。
導入時の流れや、医師の同意書に関する手続き、施術の目的や頻度の共有なども丁寧に行われており、ケアプランにも反映しやすくなっています。

利用者様の状態に合わせた施術内容の報告や経過の共有も可能で、医療や介護の多職種との連携によって、より安心できる在宅ケアの体制が整えられます。
ケアマネジャーの皆さんにも安心してご紹介いただけるサービスです。

6. 訪問マッサージの導入手順

6-1. 訪問マッサージの体験

訪問マッサージをお願いしてみたいときは、サービス提供元のホームページやお電話から、初回体験を予約してみてください。
所要時間は、説明やマッサージを含めて30〜40分ほど。ご希望の日時を電話やWEBで伝えるだけで、無理なくサービスを体験することができます。
継続するかどうかは、体験後にじっくり検討していただけますので、まずは気軽に試してみる機会としてご活用いただければと思います。

6-2. 医師の同意書の取得

訪問マッサージを保険で利用するには、かかりつけ医の同意書が必要になります。
ご自身やご家族の体調について「訪問マッサージを受けたい」と伝えていただければ、症状に応じた同意書を用意してもらえます。

訪問マッサージ業者によっては、書類の準備や医師への依頼文の作成などを代行してくれることもあり、ご本人やご家族のご負担を軽くできるケースもあります。

必要な書類や手続きについては、丁寧にサポートしてもらえますので、初めての方でも安心して進められるはずです。

6-3. 正式なプランの決定

医師の同意書がそろったあとは、訪問マッサージ業者が内容を確認したうえで、具体的な施術プランを作成していきます。
施術の内容や頻度、訪問する日時などを、ご本人やご家族と相談しながら決めていきます。ご納得いただいたうえで、正式な契約へと進みます。

保険証の確認やサービス利用規約の説明もこのタイミングで行われ、初回の施術日もここで決定されます。

6-4. ケアマネからの紹介も可能なことを記載

訪問マッサージの導入は、ケアマネージャーを通じたご紹介でも可能です。
ご利用者様の体調や介護サービスの利用状況を日頃から把握しているケアマネージャーであれば、必要性の判断や、医師の同意書取得のサポート、サービス内容の調整などもスムーズに行うことができます。

ケアプランとの整合性も取りやすく、ご本人やご家族にとっても、より負担の少ない形で訪問マッサージをスタートできます。

7. まとめ

高齢者の腰痛は、身体機能の低下や寝たきりのリスクにもつながりかねない、大きな課題です。
そんな中、ご家族による日々のケアや、ご自宅でのマッサージは、痛みをやわらげるだけでなく、心の支えにもなってくれます。

ただ、セルフケアが難しくなってきたときには、「訪問マッサージ」という安心の選択肢もあります。
「どこまでやってくれるんだろう?」「費用はどのくらいかかるのかな?」といった疑問がある方も、まずは初回無料体験で、実際のサービスに触れてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。

詳しくは、皆んなの訪問リハビリマッサージのお問い合わせフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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