コラム
コラム
この記事では、訪問マッサージの基本から、ケアマネージャーとして知っておきたいこと、連携のコツまでを、わかりやすくお伝えしていきます。
訪問マッサージは、高齢者のQOLを高めるためにとても効果的な方法です。ケアマネージャーさんがその基本をしっかり理解し、医師や訪問マッサージ事業者さんと連携を深めていくことで、より良いケアの提供につながります。
札幌の訪問マッサージ「皆んなの訪問リハビリマッサージ」では、札幌をはじめ、千歳市や恵庭市などでもサービスを行っています。
訪問マッサージをうまく活用することで、高齢者の心と体の機能を維持・改善するサポートにつながります。
ケアマネージャーさんにとって、訪問マッサージの基礎知識は、担当する高齢者のケアプランを立てるうえで、とても大切なポイントになります。
訪問マッサージについて正しく理解しておくことで、高齢者の心身の機能維持や改善、そしてQOL(生活の質)の向上にしっかりと役立てることができます。
この記事では、訪問マッサージに関する基本的な情報を順を追ってご紹介していきます。
訪問マッサージとは、医師の同意のもと、国家資格を持つあん摩マッサージ指圧師が、高齢者のご自宅や介護施設などに訪問して、マッサージや機能訓練を行うサービスのことです。
寝たきりの方や歩くのが難しい方でも、ご自宅で安心して施術を受けることができるのが特徴です。
また、訪問マッサージには医療保険が適用されるため、介護保険の点数を気にせず利用できるのも大きな魅力です。
訪問マッサージの主な目的は、高齢者の心と体の機能を維持・改善することです。
たとえば、次のような効果が期待できます。
①血行促進
マッサージによって血の巡りが良くなり、筋肉のこわばりが和らぎます。その結果、肩こりや腰痛などの痛みも軽減されやすくなります。
②関節可動域の改善
関節の動きをスムーズにして、日常生活の動作を楽にします。寝たきりの方には、拘縮の予防にも役立ちます。
③筋力維持・向上
筋肉に刺激を与えて、衰えを防ぎます。理学療法士との連携によって、さらに高い効果も期待できます。
④精神的な安らぎ
マッサージによるリラックス効果で、心も落ち着き、不安や気分の落ち込みがやわらぐこともあります。
また、施術者とのやりとりが、利用者さんの心のケアにもつながっていきます。
訪問マッサージの対象になるのは、寝たきりや歩行が難しい方、脳血管疾患の後遺症(麻痺など)がある方、関節疾患(変形性関節症など)をお持ちの方などです。
医師がマッサージの必要性を認めた高齢者の方が対象になります。
訪問マッサージは、こうした方々の身体的な辛さを和らげ、少しでも生活の質を高めることを目的としています。
似ているサービスに、「訪問リハビリテーション」がありますが、実は提供する人や目的に違いがあります。
訪問マッサージは、あん摩マッサージ指圧師が施術を行い、血行の促進や痛みの緩和を目的としたサービスです。
一方で、訪問リハビリテーションは、理学療法士や作業療法士が機能訓練を行い、ADL(日常生活動作)の改善を目指します。
ケアマネージャーさんには、利用者さんの状態や希望に合わせて、適切なサービスを選ぶことが求められます。
訪問マッサージをケアマネージャーが検討する際には、いくつか押さえておきたい重要なポイントがあります。高齢者の状態やニーズを正確に把握し、適切なサービスを選ぶために、以下の点を意識しておくことが大切です。
まず最初に、利用者の心身の状態を詳しく評価することが欠かせません。具体的には、次のような点を確認していきます。
①身体機能
現在の身体機能レベル(ADL、IADL)、既往歴、合併症の有無、服薬状況などをチェックします。寝たきり、歩行困難、関節の可動域制限、痛みなど、訪問マッサージが必要とされる具体的な理由を見極めることがポイントです。
②精神心理状態
不安や抑うつ、認知機能の状態についても把握しておくことがおすすめです。マッサージによるリラックス効果や施術者とのコミュニケーションが、精神的な安定にプラスに働くこともあります。
③生活環境
自宅の環境(段差の有無や手すりの設置状況など)、家族構成、介護者の有無といった生活背景を確認していきます。訪問マッサージを実施する際に、環境面がどのような影響を及ぼすかを踏まえておくことが必要です。
④本人の意向
本人が訪問マッサージを希望しているかどうか、またどのような効果を期待しているのか、丁寧に話を聞いてみてください。本人の意向をしっかり尊重したうえで、納得感のあるサービスにつなげることが大切です。
利用者の状態を全体的に捉えたうえで、訪問マッサージが本当に必要か、どのような効果が期待できるかを検討していきます。必要であれば、医師や理学療法士などの専門職と連携し、多角的な評価を行うこともおすすめです。
訪問マッサージは、すべての人にとって必ずしも適しているわけではありません。利用者の状態によっては、施術を避けたほうがよいケースもあります。訪問マッサージの適応と禁忌について理解を深め、安全にサービスを提供していく姿勢が求められます。
適応となる場合:寝たきりや歩行困難、関節拘縮の症状や四肢筋力低下があり、自力での通院が難しい高齢者の方に加えて、「皆んなの訪問リハビリマッサージ」では、悪性腫瘍(とくに末期の方)に対する疼痛緩和や精神的なケアを目的としたケースにも対応しています。
上記のような方に対しては、たとえば急性腰痛がある場合でも、患部を直接マッサージせず、股関節や足まわりを中心とした施術によって、痛みの軽減や動作のしやすさといった効果が見込めます。
禁忌となる場合:38度以上の発熱、急性の炎症、感染症、重度の心疾患、出血性疾患などがある場合は、訪問マッサージの施術は避けるべきです。
訪問マッサージを行う際には、事前に必ず医師の同意を得ておくことが大前提です。また、利用者の状態が変化していないかを定期的に確認し、その都度、必要があれば医師に相談するよう配慮していくことも欠かせません。
ケアマネージャーさんが質の高い訪問マッサージ事業者を選ぶことは、高齢者のQOL(生活の質)向上にとって、とても大切な要素になります。
とはいえ、数多くある事業者の中から、どうすれば信頼できるところを見つけられるのでしょうか。
ここでは、質の高い事業者を見分けるための具体的なポイントをご紹介します。
連携体制の構築
ケアマネージャーとの連携に積極的で、情報共有をしっかり行ってくれる事業者は安心です。利用者の状態や施術内容について、定期的に情報をやり取りできるような業者が理想的です。
また、医師や他の医療・介護専門職としっかり連携できる体制が整っているかどうかも見ておきたいポイントです。緊急時や専門的な対応が求められる場面でも、こうした連携体制が利用者の安心感につながります。
丁寧な説明とカウンセリング
サービス内容や料金、施術の流れなどについて、きちんと説明してくれる事業者は信頼が持てます。疑問点や不安なことがあれば、遠慮せずに聞いて、納得できるまで説明を受けられるような対応かどうかを確かめてみてください。
また、利用者の状態やニーズを丁寧に把握するために、事前のカウンセリングを大切にしている事業者も安心材料のひとつです。
カウンセリングを通して、病歴や現在の状態、生活環境まで詳しく聞き取り、それをもとに施術計画を提案してくれるようなところであれば、質の高いサービスが期待できます。
実績と評判の確認
利用者の口コミや評判、事業者の実績なども、判断材料として役立ちます。ホームページやパンフレットを見て情報を集めたり、他のケアマネージャーに話を聞いたりして、信頼できるかどうかをチェックしてみてください。
実績のある事業者は経験豊富な施術者が多く、さまざまなケースに柔軟に対応してくれる可能性があります。
また、利用者の満足度が高い事業者ほど、質の高いサービスを提供している可能性が高いと言えます。
料金体系が明確で、もし追加料金やオプション料金が発生する場合にも、あらかじめ詳しく説明してくれる事業者だと安心です。医療保険の適用についても丁寧に説明があったり、医療機関と連携しているような業者であれば、より信頼できます。
契約の前に料金についてしっかり説明を受けて、納得したうえで進めることが大切です。
契約の前には、利用者の状態やニーズに合わせた施術計画を提案してくれるかどうかを確認しておくと安心です。あわせて、施術者の経験やスキル、対応できる症状についても確認しておくと、より安心感を持ってお願いできることが期待できます。
契約内容については必ず書面で確認し、不明点があればその場できちんと質問しておくのがおすすめです。
もし、事業者の対応や説明に少しでも不安を感じた場合は、他の事業者にも目を向けてみるとよいかもしれません。
ケアマネージャーと訪問マッサージ事業者の連携は、高齢者のQOL(生活の質)を高めるうえで欠かせないものです。
両者が力を合わせることで、利用者の状態に応じた適切なサービスが提供され、施術の効果も最大限に発揮されやすくなります。
そのためには、日頃から情報をしっかり共有し、それぞれの専門性を活かしていくことが大切です。
① 情報共有の開始
ケアマネージャーは、利用者の心身の状態、既往歴、生活環境、そして介護保険の利用状況などの情報を、訪問マッサージ事業者と共有します。
訪問マッサージ事業者側も、施術内容や料金体系、訪問可能な時間帯などの詳細をケアマネージャーに伝えていきます。
② ケアマネージャーからの訪問マッサージの紹介
本来、ケアマネージャーの役割は介護保険サービスのケアプランを作成することですが、利用者様のQOL向上やADLの維持・回復を第一に考え、介護保険外のサービスである訪問マッサージにも前向きな関心を寄せてくださる方も多くいらっしゃいます。
最近では、他職種と連携しながら、医療保険を利用した訪問マッサージをケアの一環としてご紹介いただくケースも増えており、こうした柔軟な姿勢が、より良い在宅生活の実現に役立っています。
③ 訪問マッサージの実施
訪問マッサージ事業者は、ケアプランに基づき、利用者のご自宅や施設に訪問して施術を行います。
施術の後には、利用者の様子や体調の変化などをケアマネージャーに報告します。
④ 効果の評価と見直し
ケアマネージャーと訪問マッサージ事業者は、定期的に施術の効果を確認しながら、必要があればケアプランを見直していきます。
もし思ったほどの効果が見られない場合には、施術の内容や頻度を調整したり、他のサービスとの組み合わせを考えてみたりするなど、柔軟な対応が求められます。
ケアマネージャーと訪問マッサージ事業者がうまく連携するためには、日頃から積極的にコミュニケーションをとり、互いの意見を尊重し合うことが欠かせません。
日常的な情報のやり取りをしっかり行い、疑問や不明点があれば、遠慮せずに声をかけ合えるような関係づくりが大切です。
また、訪問マッサージの効果やケアマネージャーの業務内容について、お互いがしっかり理解しておくことも、連携を円滑に進めるうえで欠かせないポイントです。
研修会や勉強会などの機会を活かして、知識や経験を共有しながら、共通の理解を深めていく姿勢が求められます。
訪問マッサージを利用するには、いくつかの手続きが必要になります。
ここでは、初めて訪問マッサージを検討されるケアマネージャーさんにも安心して取り組んでいただけるよう、一般的な導入の流れをまとめています。
① お問い合わせ・ご相談
利用者様の状態を伺ったうえで、訪問可能な地域や日時を確認します。
② 体験または初回説明の訪問
実際の施術に入る前に、施術の内容や保険適用のしくみについて丁寧にご説明します。必要に応じて、体験マッサージや状態チェックを行うこともあります。
③ 医師からの同意書取得
保険を適用するには、かかりつけ医による同意書が必要です。
この際、書類の準備や主治医への説明などを代行してくれる訪問マッサージ業者を選んでおくと、ケアマネージャーさんやご家族のご負担をぐっと軽くすることができます。
④ 書類提出と契約・訪問開始
同意書がそろったら、健康保険証などの必要書類を確認し、訪問マッサージがスタートします。
施術スケジュールは、利用者様の体調やご都合に合わせて柔軟に調整されます。
訪問マッサージは、医療保険(健康保険)の対象となるサービスです。
保険を使って訪問マッサージを受ける場合、自己負担は1~3割程度となります。
この自己負担額は、介護保険と同様に所得に応じて変動することがあります。
保険の適用を受けるには、医師による指示書(同意書)が必要です。
たとえば、脳血管疾患の後遺症や変形性関節症といった慢性的な痛みや機能障害がある方、または医師が必要と判断した場合に対象となります。
医療保険に関する制度は、時折見直されることがあります。
ケアマネージャーさんは、そうした変化に目を向け、利用者様に対して正確な情報をお伝えできるようにしておく必要があります。
最新情報の入手には、厚生労働省のウェブサイトや介護関連の情報誌、ケアマネージャー向けの研修会などを活用すると便利です。
また、保険者や地域包括支援センター、訪問マッサージ事業者などの関係機関と日ごろから情報を共有しておくことも役立ちます。
さらに、必要に応じて、社会保険労務士や医療保険に詳しい専門家に相談してみるのもひとつの方法です。制度改正の理解を深めるうえで、専門家のアドバイスが大きな助けになることもあります。
この記事では、訪問マッサージに関する基本的な知識から、保険適用、導入手続き、そしてケアマネージャーとしての連携ポイントまでをお伝えしてきました。
寝たきりの方や歩行が困難な方にとって、訪問マッサージは心身機能の維持や改善にとって非常に心強い存在です。
日々のケアプランにうまく取り入れていただくことで、より質の高い生活支援につながっていきます。
札幌・恵庭・千歳エリアで訪問マッサージの導入をご検討されている場合は、「皆んなの訪問リハビリマッサージ」までお気軽にご相談ください。
皆んなの訪問リハビリマッサージでは、対象エリアの確認や手続きの代行、初回の無料相談なども承っております。